雇用保険料と雇用保険料率とは?

失業時等、加入者の生活を守るための社会保障として認識されている雇用保険ですが、その雇用保険料として自分がいくら支払っているのか把握していますか?これから再就職をするという方も、雇用保険料の計算方法を知ることで、これからどのくらい支払っていくのかが分かります。雇用保険料計算に大きく関わる雇用保険料率についても徹底解説!

雇用保険料とは?

雇用保険料の仕組み
雇用保険料は毎月の給与天引き(源泉徴収)という形で支払うことがほとんどです。これは雇用保険料のうちの「労働者負担分」であり、実際にはこの労働者が負担する分に「雇用主負担分」を合わせて国へ支払っています。つまり、雇用保険料の支払いは、労働者と雇用主が負担を分け合っているということになります。

雇用保険料の対象となる賃金の項目とは?
雇用保険料は個々の給与月額・賞与額により決定されますが、給与の中でも雇用保険料の対象となる項目とならない項目があります。雇用保険の対象となる賃金項目は、通勤手当(非課税分も含む)・超過勤務手当(残業、宿直等)・扶養手当・技能手当・住宅手当・奨励手当・休業手当等です。対象とならない賃金項目では、役員報酬・福利厚生金(結婚祝金、死亡弔慰金、見舞金等)・退職金・出張費・休業補償費等が挙げられます。例えば、ある月の残業手当が変われば、その月の雇用保険料も変わることになるという訳です。

雇用保険料を求める基本となる計算式
雇用保険料を出すための基本となる計算式は、

雇用保険料=月給与額(または賞与額)×雇用保険料率

と定められています。この中で気になる「雇用保険料率」とは、一体何でしょうか?

雇用保険料率とは?

雇用保険料率とは、労働者と雇用主がそれぞれどのくらい雇用保険料を負担するのかという計算率です。この雇用保険料率は毎年の失業保険受給者数・積立金残高等を考慮して見直され、4月1日より変更適用となりますが、平成30年度は平成29年度と変更ありません。

平成30年度雇用保険料率

労働者負担(①)雇用主負担(②)合計雇用保険料率
(①+②)
一般の事業3/1,0006/1,0009/1,000
農林水産・清酒製造の事業4/1,0007/1,00011/1,000
建設の事業4/1,0008/1,00012/1,000

平成30年度雇用保険料率参照:厚生労働省

この雇用保険料率を上記の計算式に当てはめて雇用保険料負担分を求めることになります。例えば労働者側が負担する保険料のみを求めるのであれば①を、労働者と雇用主の負担分を合わせた保険料全額を求めるのであれば③の値を当てはめます。表を見ると、事業によって雇用保険料率が異なっていること、労働者よりも雇用主の方が雇用保険料負担が大きいことが分かります。